CBDとは?その効能やTHCとの違いなど詳しく解説!

100種類以上存在するカンナビノイド成分の中で、最も代表的なものであるCBD(カンナビジオール)。
“CBD=リラックス” というイメージとともに、美容や医療などウェルネス分野で注目されていますが、実際にCBDを使うことでどのようなベネフィットが得られるのでしょうか?
THC、CBG、CBNといった他のカンナビノイドとの違いや、製品の選び方、その他CBDに関する知識を詳しく紹介します。
CBD とは?

CBD(カンナビジオール)は、大麻草とも呼ばれる麻(アサ)植物が含む成分 “カンナビノイド” の一種です。
カンナビノイドには100を超える種類がありますが、CBDはその中で最も代表的なものです。
あらゆるカンナビノイドは、麻の成長の初期段階では「CBGA」として存在しています。
麻が成熟し光や熱が加わることで、このCBGAが様々なカンナビノイドに変化していきます。
CBDの場合は CBGA → CBDA → CBD という変化を経て現れます。
大麻草から抽出できるCBDは3〜6%程度。
CBGやCBNは1%未満と言われているので、CBDの方が比較的多く含まれていることが分かります。
CBDに期待されていること
2018年、WHO(世界保健機関)は、CBDには「乱用や依存の危険性がない」とする報告書を発表し、その高い安全性が国際的に注目されました。
同年、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)は、CBDを禁止物質リストから除外。
欧米では、CBDを主成分とする医薬品が登場し、てんかん治療薬として実際に使用されています。
それまでの研究でも、CBDは身体と精神のバランスを整える成分として期待されてきましたが、こうした国際的な評価を通じて、その安全性と有用性がより広く認知されるようになりました。
このような背景から、CBDは、リスクなく健康をサポートできる成分として注目されているのです。
CBDは他のカンナビノイドと何が違う?
作用するメカニズムの違い
CBDをはじめとするカンナビノイドは、私たちの体に備わる「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」を通じて、心身に働きかけます。
ECSは、カンナビノイドを受け取り、私たちの体の恒常性(ホメオスタシス) ―体内の状態を一定に保とうとする働き― をサポートする重要なシステムです。
この仕組みの中で、体内に取り込まれたカンナビノイドと結びつき、ECSを作動させる役割を担うのが
「カンナビノイド受容体」です。
カンナビノイド受容体には「CB1」と「CB2」という2種類の受容体があり、
それぞれ異なる働きで私たちの生理機能に影響を与えます。
CB1は、主に脳や神経系に多く存在し、気分、記憶、痛みの知覚、運動機能などに関わるとされています。
CB2は、免疫系や末梢組織に多く存在し、炎症反応や免疫調整に関与しています。
カンナビノイドの種類によって、これらの受容体への働きかけ方が異なるため、私たちの心身に与える影響も変わってくるのです。
以下、理論上の作用イメージです(医学的効果を保証するものではないのでご留意ください)。
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【CBD(カンナビジオール)】
CB1:弱く作用(間接的に調整)
└ 神経伝達の調整 → 不安・ストレスの緩和(THCの過剰作用を抑制する可能性)
CB2:比較的強く作用
└ 免疫の調整、炎症・慢性痛の軽減
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【CBG(カンナビゲロール)】
CB1:中程度に作用
└ 不安の軽減、集中力・覚醒のサポート、神経保護
CB2:比較的強く作用
└ 炎症・菌の抑制、腸内環境・免疫系のサポート
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【CBN(カンナビノール)】
CB1:弱く作用
└ 穏やかな鎮静作用、睡眠のサポート、神経保護(抗酸化作用)
CB2:適度に作用
└ 炎症の緩和、免疫の調整
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【THC(テトラヒドロカンナビノール)】
CB1:強く作用
└ ドーパミンの分泌促進 → 精神作用(多幸感・高揚感)
CB2:弱く作用(ほとんど作用しない)
└ 一部で抗炎症作用
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CBDとTHCの違い

CBDとTHCは別種のカンナビノイドで、作用メカニズムが異なるため、心身に与える影響にも違いがあります。
カンナビノイドの中でも特に有名なこの二つ。しばしば混同されることもありますが、似て非なるものです。
上記のように、脳などに多く分布するCB1に、直接強く作用するのがTHCの特徴です。
これにより、多幸感や高揚感といった感覚の変化を生じさせます。
この作用が日本では特に危険視され、THCが規制される主な理由になっています。
一方、CBDは精神活性作用を持たず、CB1への軽微な作用によって不安やストレスの緩和に関与し、
CB2への強い作用によって免疫の調整や炎症・痛みの軽減にも寄与するとされています。
また、THCが引き起こす恐れのある過剰な精神活性(不安、パニック、幻覚など)を和らげる働きもあると考えられています。
CBDとTHCの違いに限ったことではなく、『カンナビノイドはそれぞれ異なる特徴を持つ』ため、
「集中にはCBG」 「入眠にはCBN」といったように、
各カンナビノイドがどのような場面で力を発揮するか知っておくと、自分に合う成分や役立て方を見つけるヒントになりますよ。
CBGやCBNについても詳しく解説した記事があるので、ぜひ参考にしてみてください。
CBDが持つとされている作用

=発作や痙攣の緩和=
CBDは、小児の難治性てんかん(ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群)に対する治療法として、医療現場で使用されています。
米国FDA(食品医薬品局)が承認したCBD製剤「エピディオレックス(Epidiolex)」が代表例で、従来の治療が効きにくい発作に対し、一定の抑制効果が確認されています。
Frontiers in Veterinary Science, 2022
=痛みの緩和=
CBDは、神経因性疼痛や炎症性の慢性痛に対して鎮痛効果を持つ可能性があると示唆されています。
初期研究や前臨床試験では、筋肉のこわばり、神経の痛み、線維筋痛症などへの有効性が報告されており、
鎮痛薬との併用に関する研究も進められています(鎮痛薬による副作用や依存リスクを軽減できる可能性)。
https://www.frontiersin.org/journal">Frontiers in Pharmacology, 2017
=ストレスや不安の軽減=
CBDは、セロトニン5-HT₁A受容体に作用し、ストレス反応を緩和する可能性があります。
動物での研究や初期の臨床研究では、海馬の神経可塑性(神経の修復・再生)をサポートし、抗不安作用や抗うつ効果に類似した働きが確認されています。
=抗炎症作用=
CBDは、免疫細胞に働きかけ、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)の分泌を抑制することが報告されています。
多発性硬化症(MS)や関節リウマチといった自己免疫疾患に対する補助的治療として、炎症を和らげる可能性があり、免疫調整作用が注目されています。
Frontiers in Endocrinology, 2020
=吐き気の緩和=
CBDは、抗がん剤などの副作用として現れる吐き気や嘔吐に対して、セロトニン5-HT₁A受容体を介した制吐作用を示すことが報告されています。
British Journal of Pharmacology, 2011
=睡眠の質の向上=
CBDは、不安の軽減を通じて睡眠の質を改善する可能性があるとする報告があります。
実際の調査では、不眠や中途覚醒が改善したと感じる被験者が一定数確認されました。
CBDを使用している人の声
MONA Quality Oil のCBDを使用している方へ調査を行いました。
使用した感想を一部ご紹介します。
「アップルウォッチ計測での睡眠の質が向上」(経営者)
「数日で肌のキメがよくなった。二日酔いがなかった」(経営者)
「使用している妻がすごく穏やかで、イライラすることが無くなり助かっている」(経営者)
「騒々しい場所にいるのに、砂浜でハンモックに揺られているような気分になった」(会社員)
「お酒を飲み過ぎてトイレに篭る程気持ち悪かったのに、いつの間にか落ち着いてリラックスできた気がする」(会社員)
※ 2022〜2023年 MONADET調べ (CBDオイル使用者対象)
CBD使用にあたって気になること

CBDに副作用のリスクはある?
CBDは、心身のバランスをトータルで整える「恒常性」をサポートするからこそ、多くの効果が得られると同時に、副作用が比較的少ないと考えられています。
報告された副作用としては、肝機能への影響(特に高用量摂取時の肝酵素の一時的な上昇)や、眠気(リラックス作用による反応)があります。
また、他の薬の分解・吸収に影響を与える可能性があるため、服用中の薬がある場合は相互作用の有無を確認した上で、必要に応じて用量や摂取タイミングを調整することが大切です。
CBDの所持や使用が違法になる可能性はある?
CBDは、日本で一般の方も安心して使用できるよう、所持・使用が法律で認められている成分です。
ただし、日本ではCBD製品の安全性に関して、世界的に見ても非常に厳格な基準* が設けられているため、
海外のCBD製品を日本に持ち込む際には注意が必要です。
*2024年12月に、CBD製品に含まれるTHC(麻からCBDを抽出する過程で微量に残留することがある)について、
「残留限度値」が新たに定められ、この基準を超える製品の販売が禁止されました。
アスリートはCBDを使用できる?
2018年、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)は、CBDを禁止物質リストから除外しました。
つまり、CBDの使用はドーピングに該当せず、アスリートによる使用が認められています。
実際に、怪我の回復やリハビリ、パフォーマンス向上のためにCBDを取り入れるアスリートが増加しています。
ただし、THCは依然として禁止されているため、製品選びには細心の注意が必要です。
子どもはCBDを使用できる?
CBDは、小児の難治性てんかんの治療薬として注目された経緯からも分かるように、子どもにとっても比較的安全な成分と考えられています。
ただし、使用する目的や体質によっては注意が必要なため、特に幼齢の場合は医師の指導のもとでの使用が推奨されます。
妊婦はCBDを使用できる?
現在のところ、妊婦や授乳中の人にとってのCBDの安全性については、十分な研究データが揃っていないのが実情です。
そのため、妊娠中や授乳期のCBD使用は、自己判断で行わず控える方がベターでしょう。
CBDのおすすめの使い方
CBD製品使用のポイント
CBD製品を使用する際は、目的や体重に応じてタイミングや量を調整しましょう。
特に初めて使用する場合は、少量から始め、体の変化を感じながら徐々に量を調整することが推奨されています。
CBD製品の保存方法
CBD製品は密閉した状態で、直射日光を避け、涼しい場所に保管することで品質の劣化を防ぐことができます。
CBD製品の活用シーン
CBD製品は、運動前後や入眠前などに、ルーティンとして取り入れるのがおすすめです。
また、飲酒後の二日酔い対策にも有効と言われています。
ストレスや不安を感じる時や、免疫が弱まっている時にも役立つかもしれませんよ。
CBD製品選びのポイント

CBD製品には、オイルやエディブル(グミ、クッキー、タブレットなど)といった食品、クリームやセラムなどの化粧品、吸引用のリキッドなど、さまざまな種類があります。
いずれの種類を使うにしても、目的や好みに応じて、自分に合う製品を選ぶことが大切です。
製品選びに役立つポイントを挙げておきます。
① CBD原料の種類
CBDには、抽出方法の違いによって「アイソレート」と「ブロードスペクトラム」という2つのタイプがあります。
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― 純度が高く、より安全な「アイソレート」
THCや他のカンナビノイドを含まず、純粋なCBD成分のみを取り出したものです。
こんな人におすすめ
◾︎アスリート
◾︎CBDをしっかり管理摂取したい人
◾︎初めてCBDを使用する人
◾︎麻の香りや味が苦手な人
◾︎他の薬と併用したい人
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― 他のカンナビノイドを含み、相乗効果が期待できる「ブロードスペクトラム」
CBD以外のカンナビノイド(THCを除く)やテルペン、ミネラルが含まれます。
他の成分とCBDを一緒に摂れるのが特徴で、アントラージュ効果(相乗効果)が期待できます。
こんな人におすすめ
◾︎体感を重視する人
◾︎アントラージュ効果を期待したい人
◾︎麻の風味を楽しみたい人
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② CBDの濃度
CBD製品のパッケージには、濃度や含有量が記載されています。
高濃度のCBD製品を使用すると「CBDの血中濃度」が高まるため、その働きを体感しやすいと言われています。
ライトに取り入れたい場合には低濃度のものが向いていますが、CBD濃度が10%であれば、残りの90%に何が含まれているのか確認しておくと安心です。
高濃度の製品で気に入るものがあれば、必要に応じて薄める、という使い方も良いかもしれません。
③ 味や香り
ルーティンとして使用するのであれば、味や香りの良さにこだわることも、続ける上で大事なポイントになるでしょう。
また、せっかく自然由来のCBDを取り入れるのですから、味付けや香り付けにもナチュラルな原料を使った製品を選びたいですよね。
まとめ: CBDとその効果とは?
CBDは“リラックス”のイメージが強いですが、てんかん治療や、治療中の副作用緩和など、医療での活用も進んでいる成分です。
「睡眠の質がよくなった」という声も広く聞かれ、日常に取り入れることでQOL(生活の質)の向上に役立っているケースも少なくありません。
日本でも、CBDをより安全に活用するための法改正が行われるなど、その効果への期待が高まっています。
このように、CBDは正しく取り入れさえすれば、私たちの健康に大いに役立つ可能性のあるものだということが明らかになってきました。
今回の記事では、CBDに対する理解を深めるために様々な研究結果を掲載していますが、CBDに関する研究は途上段階であるため、期待される効果は十分に保証されるものではありません。
使用の際には質の良いものを選び、少量から試していくことをおすすめします。
今後もCBDに関する最新の情報を、当サイトからお届けしていきます。