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CBGとは?効果やCBD、CBNとの違いも解説

CBGとは?効果やCBD、CBNとの違いも解説

CBDに代表される麻由来の成分 “カンナビノイド” には、ビタミンのようにいくつも種類があります。睡眠関連のアイテムとしても日本で見られるようになってきたCBN、 Energy = エナジー そして  Focus = 集中 などの言葉で説明されるCBGなどが代表的です。

CBDやCBNとの違い、期待されている効果、日本で手に入る製品の種類、製品による違いなど、CBGに関する様々な知識をご紹介します。

CBGとは?

CBGとは?

CBG(カンナビゲロール)は、大麻草とも呼ばれる麻(アサ)植物が含む成分 “カンナビノイド” の一種です。

CBGは麻の成長の初期段階でしか存在せず、成熟するにつれてCBDやTHCといったカンナビノイドに変化していきます。そのためCBGは英語で「母なるカンナビノイド」とも呼ばれ、他のカンナビノイドに比べ、麻から僅かな量しか得られません。一般的な大麻草のCBG含有率は約1%未満と言われています。

CBNも同程度に希少なカンナビノイドですが、こちらはTHCが分解されて生まれるため、THCやCBDに「なる前」であるCBGとは対照的です。

CBNについて解説した記事はこちら
CBN(カンナビノール)とは?効果やCBDとの違いも解説!


《CBGに期待されていること》

1964年に発見されたCBGは、近年の研究を通じてそのポテンシャルへの期待が高まっている成分です。
神経保護抗炎症、さらには抗うつの作用を持つことが示された研究もあり、肉体と精神両方の健康にとって良いものだと推測されているのです。

実際には集中力の持続痛み・緊張の緩和を目的として、実用的に取り入れている人が多いのもCBGの特徴です。


一般的なCBG製品の例

CBGは成分自体が希少であるため、製品の種類はCBDほど豊富ではありませんが、国内でも購入できるものはあります。
一般的に販売されているCBG製品には、オイル、カプセル、エディブル(グミやチョコといった食品)、加熱吸引式のベイプ用リキッドなどがあり、ご自身のスタイルやお好みに合わせて選ぶことができます。

CBGとCBD、CBNの違い

CBGとCBD、CBNの違い

《CBD、CBN、CBGが作用するメカニズムの違い》

CBGは、CBDや他のカンナビノイドと同じように、わたしたちの体内にあるECS(エンドカンナビノイドシステム)を通して体に働きかけます。
ECSは、カンナビノイドを受け取り、心身の恒常性(=ホメオスタシス:生物が自ら最適な状態を保とうとする性質)を整える機能です。

体内に取り込まれたカンナビノイドを受け取りECSを作動させる役割を果たすのが「カンナビノイド受容体」で、カンナビノイド受容体には「CB1」と「CB2」という二種類があり、それぞれ神経伝達、免疫応答、炎症反応など、多くの生理機能に影響を与えます。

CBD、CBN、CBGはこれらの受容体に対し異なる働きかけをするのですが、その違いがわたしたちの心身への影響の違いとして現れます。

【CBD】
CB1に弱めの作用
CB2に強めの作用 → 炎症や痛みの緩和に繋がる?

【CBN】
CB1に弱めの作用 → 神経保護や集中力向上に繋がる?
CB2に強めの作用 → 軽い炎症抑制に繋がる?

【CBG】
CB1に適度な作用 → 軽い鎮静効果(睡眠促進)に繋がる?
CB2に強めの作用 → 抗炎症効果に繋がる?


《CBDやCBNではなくCBGを選ぶ人ってどんな人?》

CBGは、自然成分を使って集中力を高めたい人、気分を改善したい人などに実用されています。CBGは “ナチュラル版のエナジードリンク” あるいは “カンナビノイド版のコーヒー” と称されることもあるのですが、こうした特徴がその所以なのでしょう。

また、運動をする人の中でも、パフォーマンス向上や運動後の回復サポートを目的に、CBGをサプリメント的に利用する人が増えています。

CBGの効果・効能

CBGの効果・効能

《CBGが持つと考えられている作用》

CBGが持つ効果については、炎症の軽減、痛みの緩和、さらには神経保護などに関する研究が行われています。

最近の研究では、CBGが特定のがん細胞の成長を抑制する可能性も示唆されています。

他の研究では、CBGが抗炎症作用や抗菌作用を持つことが示されており、皮膚の疾患や慢性的な痛みの改善の助けになることが期待されています。

また、上述のようにCBGは気分を高める抗うつ的な作用をもたらすとも考えられています。

研究途上の成分ですが、期待される効果は実に多様なのです。
以下がその代表例です。

= 抗炎症効果 =

CBGには、腸炎などの炎症性疾患に対する効果が期待されています。
2013年の研究 *1 では、CBGがIBD(炎症性腸疾患)における炎症を軽減する可能性があると報告されました。この研究では、CBGが腸の抗酸化活性を高め、炎症マーカーを減少させる効果が観察されたとのことです。

= 抗菌効果 =

CBGは、厄介な耐性菌であるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して強力な抗菌効果があることが示されています。
2008年の研究 *2 で、CBGを含むカンナビノイドがMRSAなどの難治性の細菌感染症に対して抗菌効果を示すことが確認されました。この研究で、CBGが他の抗菌剤に対して耐性を持つ細菌株に対しても効果を示したことで、感染症治療への応用が期待されています。

= 神経保護作用 =

CBGは神経細胞を保護する効果があり、ハンチントン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療に役立つ可能性があるとされています。
2015年の研究 *3 で、CBGがハンチントン病による神経細胞の損傷を軽減する効果があると報告されています。この研究では、CBGが脳内での酸化ストレスを減少させ、神経保護作用をもたらすことが観察されました。

= 鎮痛効果 =

CBGは痛みの軽減にも役立つ可能性があり、特に慢性的な痛みに対して効果が期待されています。
研究 *4 では、CBGと他のカンナビノイドの組み合わせにより、痛みの抑制に効果が見られたと報告され、CBGが特定の痛覚受容体に作用することで痛みが和らぐのではないかと考察されています。

= 集中力や気分の改善 =

CBGには、集中力向上や気分改善の効果があるとされています。
動物での研究 *5 により、CBGがセロトニン受容体に作用し、不安や抑うつ症状の軽減に役立つ可能性が示されています。

= 眼圧の調整 =

CBGは、眼圧(眼球内の圧力)を下げる効果を持つ可能性があります。1970年代に行われた、猫を用いた研究 *6 では、CBGが眼の房水(眼球内部の液体)の流れを改善し、眼圧を低下させることが観察されました。この作用は、カンナビノイドが眼内の受容体に働きかけるためと考えられています。

CBGを使用している人の声

実際にCBGを使用している方々から寄せられたコメントを、一部ご紹介します。

会社員
「普段腰痛がひどいが、3時間立ち見のバレエ公演の間でも痛みが気にならなかった。」

フリーランス
「夢中で仕事に打ち込んで、気がつくと時間が経っていて驚く。」

歌手
「CBGが体に合います。パフォーマンスUPに使っています。」

整体師
「施術に集中して時間を忘れる。他のことが気にならなくなる。」

経営者
「使用した途端、視界が変わった。」

CBGの注意点 

CBGの注意点 

CBGに副作用のリスクはある?

CBGは比較的安全性が高いとされていますが、副作用が生じる可能性はゼロではありません。具体的には、口の渇き低血圧眠気などが報告されています。個人差があるため、初めて使用する際は少量から始めることが推奨されます。運転や精密機械の操作などの前には、使用を控えた方が良いでしょう。

また、治療中の疾患や服用中の薬がある場合には、CBGを安全に取り入れられるか、かかりつけの先生と検討してみることをおすすめします。

CBGの所持や使用は違法になる?

日本国内でCBGは合法の成分なので、所持や使用をして咎められることはありません。ただし、海外で購入した製品には日本で禁止されているレベルのTHCが含まれている場合があるため、注意が必要です。

また、2024年12月12日に施行される新しい法律でTHCの許容濃度が定められたことにより、これまで販売されていたCBG製品の中にも、今後所持や使用ができなくなるものがあります。お持ちのCBG製品がある場合には、メーカーに問い合わせるなどして、リスクの有無を確認しましょう。

新しい法律について詳しくはこちら

スポーツ選手はCBGを使用できる?

WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の規定ではTHCの使用が禁じられていますが、CBGの使用はドーピング違反に該当しません。もちろん、使用したCBG製品にTHCが含まれていた場合にはドーピングに該当する恐れがあるので、アスリートやトレーナーは使用する製品に含まれる成分を十分に確認することが重要です。

CBGのおすすめの使い方

CBGのおすすめの使い方

《CBG製品の用法・用量》

CBGを摂取する際には、目的や体重に応じて量を調整します。一般的には一回5〜10mg程度の低用量から始め、体の反応を見ながら増やし、30mg程度までの範囲内で自分にとっての適量を感覚的に掴んでいくことが推奨されています。


《CBG製品の保存方法》

CBG製品は、容器に入れ密閉した状態で、直射日光を避け、涼しい場所に保管することが推奨されます。こうすることでCBGが劣化する原因を排除し、長期間にわたり品質を維持することが望めます。


《CBG製品を使うタイミング》

CBG製品は、集中力を必要とする作業の前や、心や体の緊張を和らげたい時に使用するのがおすすめです。特に、ストレスや疲労感を感じているときや精神的なサポートが必要な際に役立つかもしれません。

また、カンナビノイドは継続して取り入れると効果が現れやすくなると言われています。まずは期間を決めてみて、その間習慣的に摂取し、心身にもたらされる変化を観察するのもおすすめです。

CBG製品を選ぶ際の5つのポイント

CBG製品を購入するにあたり注目すべき点を押さえていきましょう。


①使用目的

下記のように、目的に合うCBG製品の絞り込みができます。

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集中したい
ストレス、疲労感、痛みを和らげながら活動したい
緊張を緩和し、気分を高めたい
眼圧を整えたい
抗炎症、神経保護、抗菌といった効果を期待したい

→ CBGが主成分として含まれた製品

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気分良くリラックスしたい
痛みを和らげ、体を休めたい
相乗効果を期待して、同時に複数種類のカンナビノイドを摂取したい

→ CBDやCBNなど他のカンナビノイドとCBGがブレンドされた製品

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②濃度

CBGの濃度や含有量は、製品のラベルやパッケージに書かれている場合が多く、それだけ大切なチェックポイントであると言えます。
高濃度だと血中濃度が早く上がる分、よりCBGの影響を体感しやすいと言われています。マイルドに取り入れたい場合には比較的濃度の低いものも良いですが、CBG濃度が3%なのであれば、残りの97%はどんなものが含まれているのか、という製品の内容も把握しておくにこしたことはありません。


③アイソレート or ブロードスペクトラム

CBGは、様々な製品に配合される前の「原料」段階では、下記3つのいずれかの状態で抽出されています。

[CBGアイソレート]
より純度の高いCBGを抽出したもの。他の成分をほとんど含まないため、CBG特有の効果を得たい場合に適しています。

[ブロードスペクトラムCBG]
CBGと共に麻から抽出される他の成分を含むもので、THCは除去されています。含まれる成分同士の相乗効果が期待できます。

[フルスペクトラムCBG]
あらゆる麻成分が含まれ、よりワイドな相乗効果を得ることができると言われていますが、THCが禁止されている日本では手に入りません。

上記のうち日本で使用可能なアイソレートとブロードスペクトラム、そのどちらが使われているかも、製品によって表示されている場合があります。


④品質と安全性

CBG原料の輸入にあたっては、厚生労働省にCOA(シー・オー・エー)と呼ばれる成分分析結果を提出することが義務付けられています。品質に関して正しい表示がなされているか、健康リスクのある成分が混入していないかなど確認したい場合には、メーカーにCOAの提示をお願いしてみても良いかもしれません。


⑤好み

その製品特有の味や香り、配合バランス、使いやすさなども、自分に適したCBG製品を見つける上での大事な要素と言えます。

まとめ: CBGとその効果とは?

CBG(カンナビゲロール)は、麻植物から採れるカンナビノイド成分の一種で、得られる量が少ない希少な成分です。
特に “集中”“エネルギーチャージ” のために使用されることが多い一方で、医療に役立てられるような効果を示した研究結果もあり、今後の活用が期待されます。

CBGは日本でも購入することができ、使用リスクが少なく、心身の健康や仕事に役立てられる可能性のあるものなので、試してみる価値はあると言えるでしょう。CBGをご自身のライフスタイルに効果的に取り入れるためには、目的に合った製品、量、使い方を知ることが大切です。

本記事では、CBGに対する理解を深めていただくために様々な研究結果を掲載していますが、これらの研究で示唆された効果は、医薬品のように十分なデータを基に保証されるものではありません。お使い始めになる方には、品質の良い製品を少量から試してみることをおすすめします。

CBGに関する新しい情報などが分かり次第、また随時お知らせします。

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*1 Borrelli, F., Fasolino, I., Romano, B., et al. 2013. Beneficial effect of the non-psychotropic plant cannabinoid cannabigerol on experimental inflammatory bowel disease. Biochemical Pharmacology, 85(9), 1306-1316.

*2 Appendino, G., Gibbons, S., Giana, A., et al. 2008. Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: A structure-activity study. Journal of Natural Products, 71(8), 1427-1430

*3 Valdeolivas, S., Navarrete, C., Cantarero, I., et al. 2015. Neuroprotective properties of cannabigerol in Huntington’s disease: Studies in R6/2 mice and 3-nitropropionate-lesioned mice. Neurotherapeutics, 12(1), 185-199.

*4 DeLong, G. T., Wolf, C. E., Poklis, A., & Lichtman, A. H. 2010. Pharmacological evaluation of the natural constituent of cannabis sativa, cannabigerol, in the rat. European Journal of Pharmacology, 634(1-3), 85-92.

*5 Rock, E. M., Bolognini, D., Limebeer, C. L., et al. 2011. Cannabidiol, not Δ9-tetrahydrocannabinol, reduces nausea and vomiting in a limited trial with rats. British Journal of Pharmacology, 163(7), 1414-1424.

*6 Colasanti, B. K. 1990. A comparison of the ocular and central effects of cannabinol and cannabigerol. Journal of Ocular Pharmacology, 6(4), 259-269.

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