CBN規制検討についての続報
CBNに関する続報です。
先日お伝えした「CBNの規制検討をめぐるパブリックコメント募集」について、募集期間が1カ月延長されました。
理由は、審議に用いられたCBNに関するデータを新たに公開したため、と発表されています。
今回公開されたのは、CBN(カンナビノール)に関する文献や試験結果をまとめた評価資料です。
専門的な内容が含まれるため、なるべく分かりやすくポイントを整理しながら、MONADETとしての見解をお伝えしたいと思います。
公開データのポイント
以下に、公開された資料を転載します。

まずはこのデータが示す二つのポイントについて整理します。
ポイント① CB1受容体との結合について
CBNが、私たちの体内にある“CB1受容体”に結合することは以前より指摘されており、今回のデータはその再確認と言えます。
カンナビノイド* の中にはCB1受容体に結合するものがあり、CB1受容体は主に中枢神経系に分布するため、神経伝達への影響が起こり得ます。
*CBDに代表される、主に麻に含まれる成分の総称
ただし、CB1に結合する=THCのような強い作用を示す、という意味ではありません。
事実として、
・THCもCB1に結合する
・しかし作用の強さはTHC > CBN
であり、結合する受容体が同じであっても、同じ危険性があるということではないのです。
ポイント② 精神活性作用について
今回の評価では、CBNの精神活性作用は「プラセボ* と変わらない」とされています。
つまり、THCのような精神活性作用をCBNが持つ、という見解は否定されました。
*プラシーボとも呼ばれる、人間の思い込みなどによる体調変化の現れ
これらのデータから言えること
CBNはTHCと同じ受容体に結合する“共通点”はあるものの、
THCのように“毒性”とされるレベルの精神作用は確認されていないという点が今回の資料で明確になりました。
厚生労働大臣の答弁
今回のCBN規制検討の発端となった山梨学院大学生の転落事故について、
厚生労働大臣の上野賢一郎さんは記者会見で、「転落とCBNの因果関係を証明することは困難」と一貫して説明しています。
未成年が飲酒していたとの報道もある中、CBNが原因であったと断定することは現時点ではやはり不可能です。
👉上野大臣会見の概要はこちら
高用量CBNの安全性は未解明
ただし、今回の評価で扱われたヒトによるCBN摂取量は50mgで、一般的な推奨量(5〜30mg)と比べても大きくはありません。
一方で、日本で販売されていた一部の製品には
数百〜数千mgという極めて高い含有量のものがあり、
そうした高用量の安全性は依然として科学的に十分検証されていません。
(もちろん危険性が確定しているわけでもありません。)
MONADETの今後の対応
今回の状況を踏まえMONADETとしては、
・CBNオイルの新規製造は一時中断
・現在庫のみ販売を継続
・今後の議論と規制動向を注視
といたします。
また、業界団体ではCBN製品のガイドラインや適切な摂取量の提案も始まっています。
官民での丁寧な議論により、より良い解決策が見つかることを願っています。